仕事と子育ての両立は簡単ではありませんが、政府は男性従業員の育児参加を後押しするための支援制度を設けています。今回は、「子育てパパ支援助成金」の概要、受給要件、申請手続き、注意点などについて詳しく解説します。この助成金を有効活用することで、男性の育児休業取得を促進し、職場における男女平等を実現できます。
子育てパパ支援助成金とは?
制度の概要
「子育てパパ支援助成金」は、男性従業員の育児休業取得を促進し、仕事と家庭の両立を支援することを目的とした制度です。企業が男性の育児参加に取り組む場合、一定の要件を満たせば助成金が支給されます。この助成金は、両立支援等助成金の「出生時両立支援コース」の一部となっており、2022年度からは「中小企業のみ」が対象となっています。
制度の目的
- 男性の育児参加を促進し、仕事と家庭の両立を支援すること
- 男性の育児休業取得を後押しし、男女ともに子育てしやすい職場環境を整備すること
助成金の種類
-
第1種: 男性従業員が出生時育児休業を取得した場合
– 20万円/1企業が支給される
– 代替要員の確保をすると20〜45万円に加算される -
第2種: 第1種を利用した企業で、男性の育児休業取得率が上昇した場合
– 40〜60万円/1企業が支給される
– 達成要件に応じて金額が変動する
このように、男性の育児参加を積極的に支援する制度となっています。
受給要件
子育てパパ支援助成金を受給するには、主に3つの要件を満たす必要があります。以下、それぞれの要件について詳しく説明します。
① 育児・介護休業法に定める雇用環境整備の措置を複数行っていること
育児・介護休業法では、4つの雇用環境整備に関する措置が定められています。このうち、以下の2つの措置を実施する必要があります:
- 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
- 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口の設置)
- 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
- 自社の労働者への育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
これらの要件を簡単に満たすには、厚生労働省のホームページにある関連資料を活用するのがおすすめです。
② 育児休業取得者の業務を代替する労働者の、業務見直しに係る規定等を策定し、当該規定に基づき業務体制の整備をしていること
この規定については、就業規則や労使協定、関連する内規などで定めることができます。可能であれば就業規則に定めることが望ましいでしょう。
③ 男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得すること
対象となる育児休業には、所定労働日が4日以上含まれている必要があります。所定労働日とは、会社が定めている労働日のことです。
申請時には、実際に男性労働者が育児休業を取得していることを証明する書類の提出が必要になります。事前に準備しておくことが重要です。
支給額
子育てパパ支援助成金には、大きく2つの支給額カテゴリがあります。第1種と第2種の助成金です。
第1種
第1種は、男性労働者が実際に育児休業を取得した際に受け取れる助成金です。基本の支給額は20万円ですが、加算もあります。
- 代替要員加算: 20万円(代替要員を3人以上確保した場合は45万円)
- 育児休業等に関する情報公表加算: 2万円
これらの加算を受けることで、最大67万円の支給が可能になります。
第2種
第2種は、第1種の受給後に、一定期間内に育児休業取得率が大幅に上昇した場合に支給される助成金です。上昇幅と期間によって以下の金額が設定されています:
- 1事業年度以内に30ポイント以上上昇: 60万円
- 2事業年度以内に30ポイント以上上昇: 40万円
- 3事業年度以内に30ポイント以上上昇: 20万円
つまり、第1種の取得後、3年以内に育児休業取得率を大幅に引き上げれば、最大120万円の支給が受けられます。
その他の支給額
育児休業等支援コースでは、以下の支援メニューも用意されています:
- 育休取得時: 30万円
- 職場復帰時: 30万円
- 業務代替支援:
- 新規雇用: 50万円
- 手当支給等: 10万円(有期雇用労働者の場合は10万円加算)
- 職場復帰後支援:
- 導入時: 30万円
- 制度利用時:
- 子の看護休暇制度: 1,000円×時間
- 保育サービス費用補助制度: 実費の2/3
このように、状況に応じて様々な支援を活用することができます。
申請手続きの流れ
事前準備
子育てパパ支援助成金の申請には、事前の準備が不可欠です。まず、申請要件を確認し、社内の制度や体制を整備する必要があります。具体的には以下のような準備が必要です。
- 一般事業主行動計画の作成と提出
- 育児・介護休業法に基づく雇用環境整備措置の実施
- 育児休業取得者の業務代替に関する規定の整備
これらの準備が完了したら、本格的な申請手続きに移ることができます。
申請書類の準備
子育てパパ支援助成金の申請には、さまざまな書類の提出が求められます。主な提出書類は以下のとおりです。
- 助成金申請書
- 一般事業主行動計画
- 育児休業取得者の業務代替に関する規定
- 育児休業取得者の出勤簿や給与明細
- 育児休業取得者の業務引継ぎ状況報告書
- その他添付書類
これらの書類の内容や提出方法については、厚生労働省の公式ウェブサイトを確認しましょう。
申請の流れ
子育てパパ支援助成金の申請は、以下の流れで行われます。
- 事前相談
- 申請書類の作成・提出
- 審査
- 支給決定
- 受給
通常は2〜3ヶ月程度で支給決定されますが、助成金によっては更に時間がかかる場合もあるため、注意が必要です。
支給後の手続き
助成金の受給が決定したら、支給後の手続きを忘れずに行う必要があります。
- 支給額の確認
- 支給金の適切な使途
- 事後調査への対応
これらの手続きを適切に行うことで、助成金の適正な活用が可能となります。
活用事例の共有
子育てパパ支援助成金の活用事例を社内で共有することで、他の従業員の育児休業取得を促進することができます。従業員の声を聞きながら、制度の改善や活用促進につなげていくことが重要です。
注意点と活用のポイント
対象者がいても周知・申請しなければ助成金は受給できない
両立支援等助成金を活用するには、従業員の育休時の支援プランを作成しただけでは不十分です。実際に育休を取得する従業員がいなければ、助成金を受給することはできません。また、支援プランに基づいて育休を取得することが支給要件となっているコースもあるため、従業員が面談せずに支援プランを作らずに育休を取得した場合は、助成金の対象とはなりません。従業員への周知と申請手続きが重要です。
助成金受給までには時間がかかる
育児や介護による休業から職場復帰した対象従業員を、6か月以上雇用していることが要件となっているコースもあります。実際に助成を受けられるまでには、一定のタイムラグがあることを認識しておく必要があります。
生産性要件は2022年度で廃止されている
2022年度までは、「労働生産性を向上させた事業者」に対して助成金の割増制度が設けられていましたが、この要件は2022年度で廃止されており、2023年度には設けられていません。
両立支援のひろばとくるみん認定
一般事業主行動計画の中で、「両立支援のひろば」への情報公開や「くるみん認定」の取得が求められる場合があります。これらは助成金の受給要件に関連するため、事前に確認しておく必要があります。
中小企業事業主が対象
両立支援等助成金の多くのコースは、中小企業事業主が対象となります。中小企業事業主の定義は業種によって異なるため、自社の状況を確認しておきましょう。
就業規則の整備が重要
助成金の活用には、就業規則や労務管理が適切に整備されていることが前提条件となります。事前に自社の状況を確認し、必要に応じて就業規則の見直しを行うことが重要です。
活用が見込める助成金の種類を理解する
計画書の提出が必要な助成金もあるため、自社に適した助成金を事前に理解しておくことが大切です。申請を行わずに取り組みを行った場合、助成金の対象とならない可能性があります。
不妊治療への配慮
女性の働きやすい環境づくりには、不妊治療への配慮が重要となります。不妊治療のための休暇制度や時差出勤、テレワークなどの取り組みを行うことで、求人のアピールポイントにもなります。
このように、両立支援等助成金を活用するには、さまざまな注意点や活用のポイントを理解しておく必要があります。自社の状況を把握し、適切な準備を行うことが重要です。
まとめ
子育てパパ支援助成金は、男性の育児参加を促進し、仕事と家庭の両立を支援するための重要な制度です。申請要件や支給額、申請手続きなど、本ブログで詳しく解説しました。本制度を活用するには、就業規則の整備や従業員への周知、申請手続きの準備など、事前の準備が欠かせません。さらに、不妊治療への配慮など、両立支援全般に取り組むことが重要です。企業が本制度を積極的に活用することで、男女ともに子育てしやすい職場環境の整備につながると期待されます。
よくある質問
子育てパパ支援助成金の対象となるのは誰ですか?
対象は中小企業事業主のみで、男性従業員が出産後8週以内に5日以上の育児休業を取得した場合に受給できます。出産に関する要件を満たし、育児・介護休業法に基づく雇用環境整備措置を実施している必要があります。
子育てパパ支援助成金の支給額はどのくらいですか?
第1種助成金は基本20万円ですが、代替要員の確保や情報公表などの加算があり、最大67万円まで受け取れます。第2種助成金は、第1種受給後に育児休業取得率が一定以上上昇した場合に40万円から60万円が支給されます。
子育てパパ支援助成金の申請手続きはどのように行いますか?
事前に雇用環境整備措置の実施や育児休業取得者の業務代替に関する規定の整備が必要です。その後、申請書類を作成し、厚生労働省に提出します。審査を経て、支給決定通知が届きます。支給後は、適切な使途と事後調査への対応が求められます。
子育てパパ支援助成金を活用する上で注意すべきことはありますか?
対象従業員がいても周知や申請を行わなければ受給できません。また、助成金受給までに一定の時間がかかるため、計画的な取り組みが重要です。就業規則の整備や自社に適した助成金の理解など、事前の準備が必要不可欠です。
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