東京都の省エネ型VOC排出削減設備導入補助金を徹底解説!経費の2/3が補助対象

助成金、補助金、公的融資、etc.
この記事は約9分で読めます。

東京都では、VOC(揮発性有機化合物)の排出削減を推進するため、中小企業や個人事業主を支援する補助金制度を設けています。このブログでは、VOC排出が引き起こす問題と、「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」の概要、補助対象者の要件、補助の内容と条件等について詳しく解説します。

VOC排出が引き起こす問題とは?

environment

VOC(揮発性有機化合物)の排出は、東京都内の大気汚染の主要な原因の1つです。VOCは、約200種類の化合物であり、塗料、接着剤、インクなどの溶剤として使用されています。これらの化合物は窒素酸化物と紫外線との反応により、光化学オキシダントを生成し、大気汚染を引き起こす光化学スモッグとして知られています。

VOCの排出にはさまざまな問題があります。以下にその問題と影響を詳しく説明します。

健康問題

光化学スモッグは、白いモヤがかかったような状態であり、目のチカチカやのどの痛み、頭痛などの健康問題を引き起こすことがあります。特に、高濃度のVOC排出が続く場合は、呼吸器系や心血管系に対して悪影響を及ぼす可能性があります。また、光化学スモッグは老若男女を問わず、誰にでも影響を及ぼすため、健康への懸念が大きな問題となります。

環境問題

VOCの排出は大気汚染を引き起こし、地球温暖化やオゾン層の破壊などの環境問題につながります。VOCは大気中で反応し、有害な物質を生成するため、地球の環境への悪影響が懸念されています。特に、オゾン層の破壊は紫外線の透過を増加させ、人間や生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。

社会的影響

VOCの排出は企業の社会的評価にも影響を与えます。環境に配慮していないと見なされると、取引先からの信頼を失う可能性があります。企業の持続可能性や社会的責任が重要視される現代では、VOC排出削減に取り組むことは企業イメージの向上にもつながります。また、 V産業界全体としてVOCの排出削減に取り組むことで、社会全体の環境保護に貢献することができます。

これらの問題を解決するために、東京都は中小事業者や個人事業主を支援するための補助金制度を導入しています。この制度を活用することで、VOC排出削減設備や省エネ型の空調・換気設備を導入することができます。これにより、VOCの排出削減に貢献するだけでなく、コスト削減や作業環境の改善などのメリットも得ることができます。

「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」の概要

industrial

東京都では、石油製品の価格上昇に対応し、脱炭素への取り組みを強化するために、「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」を実施しています。この事業は、VOC(揮発性有機化合物)の排出削減と脱炭素への取り組みを両立させることを目的とし、都内でVOCを扱う中小企業や個人事業主を支援します。

補助対象事業者

補助の対象となるのは、以下の条件を満たす都内の「中小企業者等」と「個人事業主」です。

  • 下記の作業によるVOCの排出を継続的に行っていること:
  • 工場内塗装(工業塗装および自動車板金塗装に限る)
  • 印刷
  • ドライクリーニング
  • 補助対象設備を導入する事業所で、VOCの削減効果や省エネ効果に関して都に報告し、VOC削減設備の普及促進に貢献するための調査に協力すること。

ただし、以下の事業者は補助の対象外となります。

  • 暴力団や暴力団員など
  • 他の団体から同内容の補助金を受けているか、交付を受ける予定がある場合
  • 必要な許可や届出が行われていない場合
  • 滞納している税金がある場合
  • 刑事上の処分を受けている場合
  • 公的な資金の交付先として不適切と見なされる場合
  • 国や地方公共団体からの出資を受けている場合

補助対象設備

補助の対象となる設備は、「VOC排出削減設備」と「VOC削減装置付き空調・換気設備」です。具体的な設備の例は以下の通りです。

VOC排出削減設備

  • 局所排気装置
  • 溶剤回収装置
  • 溶剤再生装置
  • 簡易VOC測定機
  • 工場内塗装に関する設備(スプレーガン、塗装ブース、塗料供給配管、スプレーガン洗浄機、乾燥機)
  • 印刷に関する設備(印刷機、乾燥機)
  • ドライクリーニングに関する設備(ホットドライ機、乾燥機)

VOC削減装置付き空調・換気設備

  • 換気設備(高効率換気設備、熱交換型換気設備)
  • 空調設備(電気式パッケージ形空調機、ガスヒートポンプ式空調機、中央熱源式空調機、ルームエアコン)

補助内容

補助の対象となる経費は、補助対象設備の導入にかかる経費です。具体的な経費は以下の通りです。

  • 設計費
  • 設備費(VOC排出削減設備、VOC削減装置付き空調・換気設備など)
  • 工事費(労務費、材料費、機器搬入費、基礎工事に要した費用など)
  • 処分費(既存設備の撤去や処分に要した工事費用)

ただし、過剰な経費や補助対象事業とは関係のない経費は補助の対象外となります。

補助金交付額

補助対象設備1台ごとについて、補助対象経費の2/3が補助金として交付されます。ただし、補助金の上限額は1台あたり2,000万円です。

以上が「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」の概要です。詳細な要件や申請方法については、東京都の公式ウェブサイトをご確認ください。

補助対象者の要件

business

補助を受けるための要件は、以下の通りです。

補助対象事業者について

補助を受けることができるのは、以下の条件を満たす都内の「中小企業者等」と「個人事業主」です。

  • VOCを排出する工程(工場内塗装、印刷、ドライクリーニング)を継続して行っていること
  • 補助対象設備を導入する事業所で、VOC削減や省エネ効果に関する報告書類を東京都に提出できること
  • 東京都のVOC削減設備の普及促進に貢献するため、必要な調査に協力できること

ただし、以下の場合は補助の対象外となります。

  • 暴力団や暴力団員などの関与がある事業者(代表者役員、使用人、従業員、構成員に含まれる場合も該当)
  • 既に同じ内容の補助金などを受け取っている事業者

注意点

補助対象者として申請する際には、以下の点に留意する必要があります。

  • 補助を受ける事業は継続している必要があります。
  • 補助対象事業所は東京都内に所在する必要があります。
  • VOC削減や省エネ効果に関する報告書類の提出が必要です。
  • 東京都による調査への協力が求められます。

補助対象者の要件を十分に理解し、申請に必要な書類や手続きを適切に準備してください。

補助の内容と条件

industrial

東京都の「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」では、以下の内容と条件が設けられています。

補助対象設備

  • VOC排出削減設備:排ガス処理装置や乾燥機など、VOC排出を削減するための設備。
  • VOC削減装置付空調・換気設備:VOC削減装置が付属した空調・換気設備。

補助対象経費

補助対象設備の導入にかかる経費が補助されます。具体的な経費には以下が含まれます:
– 設計費
– 設備費
– 工事費
– 処分費

補助対象経費の補助率は3分の2であり、補助対象設備1台ごとに補助対象経費の3分の2の額(上限2,000万円/台)が補助されます。

補助条件

以下の条件を満たす必要があります:
– 都内の事業所に導入されること
– 未使用品であること(リースは対象外)
– 原材料・消耗品でないこと
– 設備導入後のVOC削減率・省エネ化の効果を報告すること
– 設備導入後の東京都の調査に協力すること

補助対象者は、都内の中小企業または個人の事業者で、工場内塗装、印刷、ドライクリーニングのいずれかの作業でVOCを取り扱っている必要があります。

補助金の申請期間は令和5年度までとなっており、令和4年度から令和7年度までの事業期間中に補助対象設備を導入する必要があります。また、補助金の申請は予算額に達した時点で受付終了となります。

東京都の「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」では、VOCの削減に取り組むための設備の導入を支援しています。補助対象者は条件を満たすことで、補助金を受けることができます。

申請受付期間

申請受付期間は令和6年5月15日(水)から令和7年3月31日(月)17時までです。
交付申請受付は予算の限度額に達した時点で、受付を終了となりますので、早めの準備を推奨いたします。

申請方法

office

申請方法には2つの選択肢があります。

①電子メール申請

必要な申請書類を添付して、指定のE-mailアドレス(kaizen-voc@tokyokankyo.jp)に送信してください。

注意事項:
– データが10MB以上の場合は、分割して送付してください。
– 申請内容に不備がある場合は、不備が是正されるまで受理されません。

②郵送申請

申請書類一式(電子データ)を簡易書留などの方法で、以下の住所に郵送してください。

【送付先】
〒130-0022
東京都墨田区江東橋4₋26₋5 東京トラフィック錦糸町ビル8階
(公財)東京都環境公社 技術支援部 技術課 環境改善係

注意事項:
– 郵送申請の場合も、申請内容に不備がある場合は、不備が是正されるまで受理されません。

申請書類の提出方法は電子メールまたは郵送のいずれかを選択し、必要な書類を揃えて提出してください。提出期限内に書類の提出を完了させるようにご注意ください。

申請書類の一覧は公式ウェブサイトの【こちら】からダウンロードできます。申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 申請書類チェックリスト
  • 補助金交付申請書
  • 誓約書
  • 事業実施計画書
  • 補助事業経費内訳
  • 内訳明細表
  • 見積比較表
  • VOC削減率計算書
  • 電力削減計画書
  • 商業登記簿謄本
  • 印鑑証明書
  • 見積書の写し
  • 自社製品の調達等に関する経費の算定根拠
  • 敷地内平面図
  • 設備配置図
  • 特記仕様書もしくはカタログ等
  • フィルター性能の証明書
  • 空調設備の要件が確認可能な証憑
  • その他公社が必要とみなす書類

申請の際には、書類の提出方法や必要書類のチェックリストを事前に確認し、不備がないようにご注意ください。

まとめ

東京都が実施している「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」は、中小企業や個人事業主がVOC排出削減と省エネに取り組むための有効な支援制度です。この事業では、VOC排出削減設備や省エネ型の空調・換気設備の導入に対して補助金が交付されます。申請に必要な要件や手続きについては、東京都の公式ウェブサイトをご確認ください。VOCの排出削減や環境保護に取り組む企業・事業者の皆様は、ぜひこの補助制度を活用し、環境負荷の低減と経営の効率化に取り組んでいくことをお勧めします。

よくある質問

VOCとは何ですか?

VOC(揮発性有機化合物)とは、塗料、接着剤、インクなどの溶剤として使用される約200種類の化合物のことです。これらの化合物は窒素酸化物と紫外線の反応により光化学オキシダントを生成し、大気汚染を引き起こすことが問題となっています。

補助金の対象となるのはどのような事業者ですか?

補助の対象となるのは、東京都内でVOCを扱う中小企業や個人事業主です。具体的には、工場内塗装、印刷、ドライクリーニングの作業を継続的に行っており、VOC削減や省エネ効果に関する報告や調査への協力が可能な事業者が対象となります。

補助対象設備にはどのようなものがありますか?

補助の対象となる設備には、VOC排出削減設備と VOC削減装置付き空調・換気設備が含まれます。VOC排出削減設備には、排ガス処理装置や乾燥機などがあり、VOC削減装置付き空調・換気設備には、高効率換気設備やガスヒートポンプ式空調機などが該当します。

補助金の申請方法は?

申請方法には、電子メールによる申請と郵送による申請の2つの方法があります。どちらの方法でも、必要な書類を揃えて期限内に提出する必要があります。提出書類には、申請書類、設備の仕様書、削減効果の計算書などが含まれます。

出典元:省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業 | 東京都環境公社 (tokyokankyo.jp)


スタッフ大募集しています⇩
アフィリエイター
営業スタッフ
ウェビナー講師
テレアポスタッフ
営業事務
社会保険労務士
中小企業診断士


コメント欄でやりとりしよう!

質問/相談/実例/感想/など何でもok!
グループで討論すれば定着率10倍!
人に教えると18倍!
(わかった)を(できた)に変えよう。
圧倒的な手数で圧倒的な成果を!

この記事で少しでもお役に立てたなら幸いです。
ご意見、ご感想など、ぜひお聞かせください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事を書いた人

ハイタッチ・マーケティングブログ編集責任者
AIマーケティングイノベーター
毎日4時間の勉強を続けるマーケティングオタク
趣味は東南アジア節約旅行

=============================================================
発行責任者:ハイタッチ・マーケティング有限責任事業組合
発行者住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-36-2 新宿第七葉山ビル3F
運営事務局:050-5536-6444
E-mail :info@hmllp.org
HP :https://www.hmllp.org/
取扱サービス
公式LinkedIn
公式X(旧Twitter)
公式YouTubeチャンネル
公式TikTok
=============================================================


Copyright(C) ハイタッチ・マーケティング有限責任事業組合