★働き方改革を後押し!適用猶予業種対象の新助成金制度とは?

助成金、補助金、公的融資、etc.
この記事は約11分で読めます。

働き方改革を推進するため、政府から様々な助成金制度が設けられています。その中でも「働き方改革推進支援助成金 適用猶予業種等対応コース」は、従来の猶予措置が適用されていた業種を対象に、労働環境の改善を後押しする新たな助成金制度です。この助成金の対象業種、申請要件、支給額、申請手続きについて、詳しく解説したブログ記事の内容は以下の通りです。

1. 働き方改革推進支援助成金 適用猶予業種等対応コースとは

work

2024年4月1日から建設業、運送業、病院等、砂糖製造業に、時間外労働の上限規制が適用されます。
このコースは、生産性を向上させ、時間外労働の削減、週休2日制の推進、勤務間インターバル制度の導入や医師の働き方改革推進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主の皆さまが対象となり、具体的な取り組みが求められます。

対象業種と対象事業主

対象業種は、以下のような業種に該当します。

  • 建設業
  • 運送業
  • 病院等
  • 砂糖製造業

対象事業主は、労働者災害補償保険の適用事業主であり、以下の条件を満たす必要があります。

  • 目標1から4の取り組みを行っていること
  • 年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則などを整備していること

目標と取り組み内容

適用猶予業種等対応コースでは、以下の目標を設定し、それに向けた取り組みが求められます。

  1. 目標1:全ての対象事業場において、令和6年度又は令和7年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働
    時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に
    届出を行うこと(全ての業種が選択可能)
  2. 目標2:全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること(全ての業種が選択可能)
  3. 目標3:全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇(病気休暇、教育
    訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇)の規定をいずれか1つ以上を新た
    に導入すること(全ての業種が選択可能)
  4. 目標4:全ての対象事業場において、9時間以上の勤務間インターバル制度の規定を新たに導入すること(全ての業種が
    選択可能)
  5. 目標5:全ての対象事業場において、4週5休から4週8休以上の範囲で所定休日を増加させること(建設業が選択可
    能)
  6. 目標6:医師の働き方改革推進に関する取組として以下(1)、(2)を全て実施すること

(1)労務管理体制の構築等
(2)医師の労働時間の実態把握と管理

助成額

助成額は、目標の達成状況によって異なります。原則として、対象経費の合計額の4分の3、成果目標1から6の上限額、または賃金加算額の合計額のいずれか低い方が助成されます。最大で250万円の助成金が支給される場合もあります。

適用猶予業種に働き方改革を推進する助成金である適用猶予業種等対応コースについて、対象業種や対象事業主、目標、取り組み内容、助成額について詳しく解説していきます。この助成金を活用して、業務環境の改善や労働者の負担軽減に取り組みましょう。

2. 対象事業者の要件

labor

労働者災害補償保険の適用事業主であり、交付申請時点において以下の条件を満たしている中小企業事業主が、働き方改革推進支援助成金の適用対象となります。具体的な要件は以下の通りです。

要件1: 労働者災害補償保険の適用事業主であること

労働災害補償保険に加入している事業主のことを、労働者災害補償保険の適用事業主と呼びます。労働者の災害による補償や給付金の支払いを行うために加入している必要があります。

要件2: 交付申請時点で「成果目標」1から4の設定に向けた条件を満たしていること

助成金の対象となるためには、交付申請時点で「成果目標」1から4に向けた条件を満たしている必要があります。具体的には、労働時間の短縮や勤務条件の改善などの成果目標に向けた取り組みを実施しているかどうかが重要です。

要件3: 全ての対象事業場で年5日の年次有給休暇取得に向けて就業規則を整備していること

助成金を受けるためには、事業主は全ての対象事業場において、年5日の年次有給休暇取得に向けて就業規則を整備している必要があります。これにより労働者の労働環境を改善し、働き方改革に貢献することを目的としています。

要件4: 定められた中小企業事業主であること

助成金の対象となる事業主は、定められた中小企業事業主である必要があります。常時使用する労働者数が300人以下もしくは資本金または出資額が3億円以下(病院等については5,000万円以下)であり、建設業、運送業、病院等、砂糖製造業のいずれかに該当する必要があります。主に働き方改革の必要性が高い業種が対象となっています。

これらの要件を満たすことが助成金を受けるための必要条件となります。中小企業事業主は労使関係や労働環境の改善を目指し、積極的に働き方改革に取り組むことによって、助成金を活用することができます。

3. 支給額と目標

government

助成金の支給額は、達成目標に応じて決まります。以下の条件に基づいて、支給額が計算されます。

支給額の計算方法

取組の実施に要した経費の一部を、成果目標の達成状況に応じて支給します。

以下のいずれか低い方の額

  1. 成果目標1から6の上限額および賃金加算額の合計額
  2. 対象経費の合計額×補助率3/4

30人以下の労働者数であり、成果目標6〜9を実施する場合、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5になります。

成果目標ごとの上限額詳細

以下に、成果目標ごとの上限額の詳細を示します。

成果目標1達成時の上限額

  • 事業実施前における月80時間超の時間外労働時間数等が設定されている事業場:250万円
  • 事業実施前における月60時間超の時間外労働時間数等が設定されている事業場:200万円
  • 事業実施後において、月60時間超、月80時間以下に設定がされている事業場:150万円

成果目標2達成時の上限額

  • 25万円

成果目標3達成時の上限額

  • 25万円

成果目標4達成時の上限額

建設業及び砂糖製造業

「新規導入」に該当する取組がある場合

  • 休息時間が9時間以上11時間未満の場合:100万円
  • 休息時間が11時間以上の場合:120万円

「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」又は「時間延長」に該当する取組がある場合

  • 休息時間が9時間以上11時間未満の場合:50万円
  • 休息時間が11時間以上の場合:60万円

運送業

「新規導入」に該当する取組がある場合

  • 休息時間が9時間以上11時間未満の場合:150万円
  • 休息時間が11時間以上の場合:170万円

「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」又は「時間延長」に該当する取組がある場合

  • 休息時間が9時間以上11時間未満の場合:75万円
  • 休息時間が11時間以上の場合:85万円

病院等

「新規導入」に該当する取組がある場合

  • 休息時間が9時間以上10時間未満の場合:120万円
  • 休息時間が10時間以上11時間未満の場合:150万円
  • 休息時間が11時間以上の場合:170万円

「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」又は「時間延長」に該当する取組がある場合

  • 休息時間が9時間以上10時間未満の場合:60万円
  • 休息時間が10時間以上11時間未満の場合:75万円
  • 休息時間が11時間以上の場合:85万円

成果目標5達成時の上限額

  • 1日増加ごとに25万円(最大で100万円まで)

成果目標6達成時の上限額

  • 50万円

賃金額引上げを加えた場合

助成金額に賃金額の引上げを加える場合、引上げ額は指定した労働者の賃金引上げ数の合計に応じて、上記の上限額に加算されます。

注意点

支給額にはいくつかの条件がありますので、詳細については公式サイトや申請マニュアルをご参照ください。

4. 申請の手続き

office

働き方改革推進支援助成金の申請手続きは以下の通りです。

4.1 交付申請書の提出

申請の最初のステップは、交付申請書の提出です。以下の書類を用意してください。

  • 交付申請書
  • 事業実施計画
  • 36協定届
  • 労働時間が確認できる書類(賃金台帳、タイムカード、出勤簿、1年単位の変形労働時間制に関する労使協定など)
  • 年次有給休暇管理簿の就業規則の写し
  • 労働条件通知書の写しの就業規則の写し
  • 労使協定の写し
  • 対象労働者の交付申請前1月分の賃金台帳の写しと労働時間が確認できる書類
  • 見積書

これらの書類を最寄りの都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に持参するか、郵送にて提出します。

4.2 事業実施

交付申請書の提出後、労働局雇用環境・均等部(室)で受付と審査が行われます。審査結果の発表までの期間は約1か月程度です。事業実施に移る前に審査結果を待ちましょう。

4.3 支給申請書の提出

最後の手続きは、支給申請書の提出です。支給の可否が決定され、通知されます。支給が認められた場合、助成金を受け取ることができます。

申請書類の提出先は、管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)です。事業実施計画の変更申請も同じ手続きで行います。

以下は、5つの主要都市の労働局所在地、窓口、および各窓口の連絡先です。

4.3.1 北海道労働局

  • 所在地:札幌市北区北8条西2丁目1-1 札幌第1合同庁舎9階
  • 窓口:
  • 企画課(電話番号:011-788-7874)
  • 指導課(電話番号:011-709-2715)

4.3.2 東京労働局

  • 所在地:千代田区九段南1-2-1 九段第3合同庁舎14階
  • 窓口:
  • 代表(電話番号:03-6867-0212)
  • 労働紛争調整官(電話番号:03-3512-1609)
  • 働き方改革担当(電話番号:03-6867-0211)
  • 雇用均等・両立支援担当(電話番号:03-3512-1611)
  • 労働契約法(無期転換ルール)担当(電話番号:03-3512-1611)
  • 助成金関係(電話番号:03-6893-1100)

4.3.3 愛知労働局

  • 所在地:名古屋市中区三の丸2-5-1 名古屋合同庁舎第2号館2階
  • 窓口:
  • 企画課(電話番号:052-972-0252)
  • 企画課(助成金担当)(電話番号:052-857-0313)
  • 指導課(電話番号:052-857-0312)

4.3.4 大阪労働局

  • 所在地:大阪市中央区大手前4-1-67 大阪合同庁舎第2号館8階
  • 窓口:
  • 企画課(電話番号:06-6941-4630)
  • 指導課(女性活躍・男女均等・両立支援・次世代育成・パートタイム関係)(電話番号:06-6941-8940)
  • 指導課(労働時間・労働契約関係)(電話番号:06-6949-6494)
  • 指導課(労働紛争調整官)(電話番号:06-6949-6050)

4.3.5 福岡労働局

  • 所在地:福岡市博多区博多駅東2丁目11-1 福岡合同庁舎新館4階
  • 窓口:
  • 企画課(電話番号:092-411-4763)
  • 指導課(電話番号:092-411-4894)

申請の締め切りや期日には注意が必要です。提出期限は2024年11月29日(金)までですが、予算や申請数の制限により、締め切りが早まる場合もあります。早めの申請を心がけましょう。

5. 注意点とポイント

finance

助成金を申請する際には、以下の注意点とポイントを押さえておきましょう。

5.1 締め切りに注意する

助成金の申請締め切りは厳守しましょう。申請数が多い場合、締め切り前に早期に受付を締め切る場合もありますので、締め切り日よりも前倒しで提出することを心掛けましょう。特に、助成金の支給までには時間がかかるため、短期間での資金調達が必要な場合はより注意が必要です。

5.2 目標を明確にする

申請時には、明確な目標を設定しましょう。助成金を受けるためには、具体的な目標を定める必要があります。例えば、労働時間の削減や労働条件の改善などです。事前に計画を立て、社会保険労務士やコンサルティングの専門家の助言を受けることをおすすめします。

5.3 経済的な見通しを立てる

助成金の支給までには時間がかかりますので、助成金を受け取る前には資金調達や資金の管理についても注意が必要となります。申請前に経済的な見通しを立て、必要な措置を講じておきましょう。

5.4 詳細な要件を確認する

助成金の要件は年度によって変更されることがありますので、申請前に詳細な要件を確認しておきましょう。特に、適用猶予業種の場合は特別な条件が設けられていることがありますので、それに合わせて計画を立てる必要があります。

以上の注意点とポイントを押さえながら助成金の申請を進めることで、効果的な働き方改革を実現することができます。ぜひ、事業者の皆さんはこれらを活用して助成金の申請を検討してみてください。

まとめ

働き方改革推進支援助成金の適用猶予業種等対応コースは、建設業、運送業、病院等、砂糖製造業といった業種を対象に、労働時間の短縮や労働環境の改善に取り組むための助成金です。事業主は対象要件を確認し、明確な目標を設定して申請を行う必要があります。また、申請の締め切りには十分注意し、経済的な見通しを立てておくことが重要です。この助成金を活用することで、適用猶予業種における働き方改革を推進し、労働者の負担軽減や生産性の向上につなげることができるでしょう。働き方改革は喫緊の課題ですので、ぜひ事業者の皆さまにこの助成金を活用いただきたいと思います。

よくある質問

適用猶予業種等対応コースの対象業種は何ですか?

時間外労働の上限規制の猶予が適用されていた業種が対象となり、具体的には建設業、運送業、病院等、砂糖製造業などが該当します。

助成金の支給額はどのように決まりますか?

支給額は、成果目標の達成状況に応じて決まり、成果目標1から6の上限額と賃金加算額の合計額、または対象経費の合計額の4分の3のいずれか低い方が支給されます。最大で250万円が支給されます。

申請の際に必要な書類は何ですか?

交付申請には、交付申請書、事業実施計画、36協定届、労働時間が確認できる書類、年次有給休暇管理簿の就業規則の写し、労働条件通知書の写しの就業規則の写し、労使協定の写し、対象労働者の賃金台帳の写し、見積書などが必要となります。

助成金の申請期限はいつですか?

申請の受付は2024年11月29日(金)まで(必着)です。
(なお、支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、11月29日以前に受付を締め切る場合があります。)

 

出典元:働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)


スタッフ大募集しています⇩
アフィリエイター
営業スタッフ
ウェビナー講師
テレアポスタッフ
営業事務
社会保険労務士
中小企業診断士


コメント欄でやりとりしよう!

質問/相談/実例/感想/など何でもok!
グループで討論すれば定着率10倍!
人に教えると18倍!
(わかった)を(できた)に変えよう。
圧倒的な手数で圧倒的な成果を!

この記事で少しでもお役に立てたなら幸いです。
ご意見、ご感想など、ぜひお聞かせください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事を書いた人

ハイタッチ・マーケティングブログ編集責任者
AIマーケティングイノベーター
毎日4時間の勉強を続けるマーケティングオタク
趣味は東南アジア節約旅行

=============================================================
発行責任者:ハイタッチ・マーケティング有限責任事業組合
発行者住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-36-2 新宿第七葉山ビル3F
運営事務局:050-5536-6444
E-mail :info@hmllp.org
HP :https://www.hmllp.org/
取扱サービス
公式X(旧Twitter)
公式Facebookページ
公式Instagram
公式YouTubeチャンネル
公式TikTok
=============================================================


Copyright(C) ハイタッチ・マーケティング有限責任事業組合